デジタル・フォレンジックはコンピュータの深層を分析・解析する科学調査であり、研究所や専門機関においてトレーニングや実務を積み重ねた技術者にしかできないことです。
その技術者の育成には何年もの歳月が必要であり、短期間で付け焼刃的に学習できるようなことではありません。
さらに、コンピュータを取り巻く環境は目まぐるしく発展するものなので、最新テクノロジーの研究活動を継続する必要もあります。
また、調査用の機材やシステム等の製品は非常に高価かつ保守管理コストも高額なものであり、しかも一般には販売されていません。
なぜならばそれらの製品の主なターゲットは、国家や地方自治体などの行政、軍事機関、法執行機関、研究機関などだからです。一般企業や民間人が簡単に導入できるようなものではありません。
これらのような理由によりデジタル・フォレンジックは、情報セキュリティの専門企業でなければ新規参入が極めて難しい分野なのです。
しかしどういうわけか近年では、探偵や興信所などといった完全に門外漢の業者がデジタル・フォレンジックの名をかたったり、「ハッキング調査」などと言って広告宣伝しているのを見かけます。
冷静に考えれば、そのような門外漢の非専門業者が本格のデジタル・フォレンジックを実施できるわけがないことは、説明するまでもなくご理解頂けるかと思います。
にも関わらず悪質な調査会社が実際に存在している事実をみますと、もしかしたらですが、サイバー犯罪の被害を受けて慌ててしまった被害者が、不安とパニックから正常な判断力を欠いた状態で、誤って悪徳業者に相談してしまうのかもしれません。
調査会社をご選択の際は、慌てず一旦落ち着いて、業者が情報セキュリティの専門企業かどうかを十分にご確認ください。
そして、本物の専門家が担当するのかどうかを確かめるために、このページに記載したテクニックをぜひご活用下さい。
【補足】
誤解の無いよう念の為に補足します。
小さな業者や探偵・興信所の全てが悪徳業者だというわけではなく、まともな調査会社も存在します。
このページに記載したテクニックを用いればそれを見分ける事ができます。
しかし、もしこのテクニックを試してみても良く分からない場合や、そもそも時間的猶予がない場合などは、
業者探しで遠回りをして無駄に時間を費やすよりも、素直に大きな情報セキュリティ会社に依頼した方が無難です。
また、極端に安い業者は避けたほうが良いです。
例えば数万円とか十数万円とかの安い調査サービスの場合ですと、それは本格のデジタル・フォレンジックではないと断言できます。
もし希望しているのが簡易のウイルスチェックだというならば安価な調査サービスでも良いですが、本格のデジタル・フォレンジックを希望しているのであれば、費用が高くてもしっかりした業者を選ぶべきです。
本格のデジタル・フォレンジックは低価格で実施できるわけがない調査サービスです。
相場の費用感として、通常は100万円以上かかります。
安い場合(調査内容を絞り込んで費用を抑える場合)でも数十万円は必ずかかります。
この相場よりも極端に安い調査サービスは、安物買いの銭失いになってしまう恐れが強くありますので、避けたほうが無難です。
(費用については下記リンク先もご一読下さい)
【 → デジタル・フォレンジックの費用が高額になる理由】