Dr.セキュリティ®

探偵だけじゃない!

『デジタル人探し』
も有効な人探し方法です。

この記事を書いた人

フォレンジック技術者
冨田 圭介

DFプロ認定資格保有
① CDFP-B(基礎資格)
② CDFP-P(実務者資格)
冨田 圭介

人探しと言うと探偵/興信所の専業分野に思われがちですが、しかし選択肢はそれだけではありません。探偵に依頼する方法以外に、デジタル機器から効率良く人探しする『デジタル人探し』という方法もあります。

デジタル人探しなら、単に家出人/失踪者を見つけ出すだけでなく、心のケアやサポートにも大いに役立ちます。当ページではそのようなデジタル人探しに関する概要をご案内しておりますので、人探しをご検討の際に選択肢の一つとしてご検討頂けたら幸いです。

さて、現代においてはあらゆる人の身の回りに、スマホやパソコンを始め、スマートウォッチ、ゲーム機、IoTデバイスなど様々なデジタル機器が溢れています。そしてそれらは自動的に人の行動履歴(デジタル足跡)や位置情報を記録し続けています。その例として皆様が最もイメージしやすいのは「スマホ」だと思いますので、スマホに関するデジタル足跡/位置情報の例を少しご紹介します。

地図見本(Googleマップ)
◆Web関連の機能により記録されるデジタル足跡/位置情報
◆広告や地域情報に関連して記録されるデジタル足跡/位置情報
◆SNSや各種アプリが記録するデジタル足跡/位置情報
etc.

このようにスマホなどのデジタル機器は高い確率でデジタル足跡/位置情報を残しています。それらを見れば調査対象者の行動や位置がおおまかに分かりますので、家出人や失踪者を探す際にとても価値のある情報となりますし、実際に警察の捜査や裁判などにおいてもデジタル足跡/位置情報は重要視されています。そして、デジタル機器から情報を抽出および分析・解析する調査技術・手法のことを『デジタル・フォレンジック』と言い、この記事を書いている私はデジタル・フォレンジックを生業としております。
デジタル・フォレンジック
このデジタル・フォレンジックを応用して人探しに有益な情報を収集することを、当サイトでは『デジタル人探し』と定義しております。

家出人・失踪者の
『デジタル足跡/位置情報』
を辿る人探し方法

スマホのGPS
例えばスマホのGPS位置情報などの緯度経度の値を調べれば、家出人や失踪者がいる場所をズバリ特定できますので人探しの方法としては最も効率が良いです。

訪れた場所/利用したお店や施設
もし緯度経度がわからない場合でも、日常的に訪れている場所(お店/鉄道駅/公共施設等)が分かれば大まかな生活圏を絞り込むことができますので、当該地域において張り込み調査や聞き込み調査などをおこなって家出人や失踪者を見つけられることが期待できます。

このようにデジタル人探しで手がかりを掴めば、闇雲に行き当たりばったりの人探しをする場合と比べて大幅に効率・成功確率が向上します。また、探偵や興信所に人探しを依頼する場合においても、事前に上記のような手がかりを掴んでおけば調査員がスムーズに調査できますので、家出人や失踪者を見つけられる確率が高まります。

デジタル人探しは、
家出人/失踪者を見つけた後の
『心のケアやサポート』
にも役立ちます。

家出人や失踪者を見つけ出したとしても、ただ元の生活に戻るだけでは再び家出/失踪されるリスクが潜在します。心のケアやサポートをおこなって問題の根本原因を取り除かなければ、本当の意味での解決には至らないはずです。
悩みや外的要因
家出人や失踪者の心のケアやサポートをするためには、当人のことを良く理解しなければなりません。当人はどのような問題に直面し、何を思っているのか、きちんと把握したうえで悩みを緩和できるようなサポートを考えることとなります。そして、そのためにデジタル人探しで集めた情報が役に立ちます。

例えば・・・

パソコンやスマホの操作履歴
◆Web履歴や文字入力履歴、買い物や利用したサービスなどの情報
心情、悩み、思想や趣味嗜好など、家出人や失踪者の心の中の一端が表面化しますので、家出/失踪の原因を理解するヒントになります。

メール、LINEなどの履歴
◆メール履歴等のコミュニケーション情報や交友関係などの情報
抱えているトラブル/晒されている脅威などの種類・性質を察することができます。

デジタル人探しなら、これらのような当人の内面や外的要因に関する情報も収集できますので、再発防止&終局的な解決を図るためにも大いに役立ちます。

デジタル人探しの流れと、
探偵の使い所。

デジタル人探しの大まかな内容と流れは次のようになります。

1,データ収集
デジタル足跡/位置情報が含まれるデータを収集する
2,分析・解析
データから緯度経度や履歴などの情報を抽出する
3,所在の特定または絞り込み
前項で得た情報をもとに現在の所在を推測する
4,現地調査
探偵・興信所に依頼して聞き込み/張り込み等を実施する

データ/情報収集から探偵の人探しまで
人探しの流れの1番から4番までの全行程をご自身でおこなうこともできます。しかし1・2番はITスキルが相当程度必要ですし、4番は探偵・興信所のノウハウやテクニックを頼るほうがスマートかと思います。ご自身ができる範囲でやりたいというご事情がある場合を除いて、1・2番は当社にご依頼頂き、4番は探偵・興信所にご依頼されるのが無難かと思います。

1,データ収集 の内容

既に述べていることと重複しますが、現代ではスマホ、パソコン、IoT家電など様々なデジタル機器で溢れています。デジタル機器を一切使用せず生活している人はほとんどいないでしょうし、逆に言えば、ほぼ全ての人はデジタル足跡/位置情報があちこちに記録されています。それらを収集して分析・解析するのが私のようなフォレンジック技術者の役割ですので、もし人探しのためにフォレンジック調査を依頼したいという場合は当社にご相談下さい。

さてデータ収集の内容に関してですが、あまり専門的なことを書いても一般の方は理解しにくいかと思いますので、ここでは一部の分かりやすい例だけをご紹介します。

iPhoneを探す
【例1】スマホを探す機能を応用
Android / iPhoneのどちらにも、スマホを紛失した時に位置情報を取得する機能がありますので、それを使って人探しに有用な情報を得るという方法です。

携帯キャリアのサポート
【例2】スマホのキャリアのサポートを利用する
スマホ紛失時のサポートとして、位置情報を調べてくれるサービスを提供しているキャリアもあります。

地図の履歴
【例3】外部サービスから端末の位置情報を取得する
スマホやパソコンで利用されるSNSや、デバイスが同期するクラウドなどの外部サービスでは、機器の位置情報を記録しているケースが多くあります。もっとも有名なのはGoogleアカウントの「ロケーション履歴」で、これが有効になっている場合は家出人・失踪者が訪れた地点の履歴をかなり詳しく知ることができます。

Wi-Fi
【例4】ネットワーク情報を取得する
代表的なのは「IPアドレス」ですが、それ以外にも接続したWi-Fiルータの情報や、利用した施設のネットワーク情報が有用なヒントとなります。これらを解析すると、家出人・失踪者の滞在先(ホテルやネットカフェ等)を特定できる可能性があります。

Web履歴、メール履歴
【例5】Web履歴やメールを取得する
現在進行系の履歴やメールを取得するのが最も良いのですが、それが難しい場合でも過去の履歴等があれば人探しのヒントとなります。例えば失踪先の地域に関する情報を検索していたり、ホテル等の予約処理の痕跡が含まれている可能性があります。

上記はほんの一例で、当社のフォレンジック調査では他にも多数の情報を収集することとなりますが、上記の例のものはフォレンジック業者に依頼しないでも取得でき得るものですので、「とりあえず自分でやってみる」というのも有りかなと思います。特に例1・2は比較的簡単ですし、得られる情報の有用度も極めて高いので、まずはご自身で1・2を収集してみるのは有りかと思います。

ちなみに当社では専用のフォレンジックツール(システムや機材)を用いてデータ収集をおこないます。
フォレンジックツールの写真
手作業で収集するよりも遥かに多くのデータを収集でき、かつご自身では取得が難しいデータも収集することができます。ご自身で集めた情報だけでは不足するという場合には当社のフォレンジック調査サービスのご利用をご検討下さい。

2,分析・解析 の内容

収集したデータには、目で見てすぐに分かるものと、そうでないものの両方が含まれます。例えば位置情報に関して言えば、Googleマップ等の地図データならばパッと見てすぐに場所が分かります。
Googleマップの画像

しかし緯度経度の値だけを見ても所在は分かりません。
緯度経度の画像
上の見本のような値しか分からない場合は、これを基に人間が分かる位置情報(地図情報)への変換を要します。

ほか、人探しに有用な情報は画面に表示されない(メタデータなど隠された部分に記録されている)ということも多々あります。
例えばメールヘッダや画像ファイルのExifなどは隠れた場所に情報があるので、パッと見ただけでは調べられません。
Exif情報の画像

これらのように人間がパッと見ても理解できないデータ or そもそも見ることができないデータに対し、抽出/変換/検索などの処理をおこなって分析・解析します。

もしご自身でデータ収集してみたけれど有用な情報を見つけられなかったという場合には、未変換の生データや隠れたデータの中に有用な情報が含まれているかも知れませんので、デジタル人探しのフォレンジック調査をご検討下さい。

3,所在の特定または絞り込み
の内容

ここまででデジタル足跡/位置情報を得ることができましたら、それらの情報に基づいて家出人・失踪者の所在を推測する段階となります。

カレンダーの画像
【例①】緯度経度と日付時刻
同じ緯度経度の記録が複数の日付で存在する場合、その場所に滞在している可能性が高いです。さらに時刻にも着目しますと、もし夜間で同じ場所の記録が複数あればそこに寝泊まりしている可能性が考えられますし、特定の時間帯に特定の場所にいる記録が複数ある場合は、何らかアルバイトのようなことをしている可能性も考えられます。

Wi-Fiルータの写真
【例②】ネットワークの場所
例えばネットカフェのWi-Fiを使用している記録が複数の日付で存在する場合は、そのネットカフェを活動拠点にしているのだと推測できます。ほか、お店ではなく一般家庭のWi-Fiという場合には、誰かの家に居候しているのだと推測できます。

訪れたお店の写真
【例②】訪れたお店や施設等
決済履歴や通知/メールなどから利用した店舗・施設等が分かれば、滞在場所をピンポイントで特定できなくても、滞在先での生活圏や生活パターンをある程度推測できます。

4,現地調査(探偵の人探し)
の内容

いよいよ人探しのクライマックスです。前項までで収集した情報および推測を基に、滞在先などへ聞き込み、張り込み、尾行といった調査のフェーズとなります。

探偵の人探し調査の画像
ご自身でもできるかも知れませんが、探偵や興信所に依頼したほうが無難です。もしご自身で張り込んだとして、相手に見つかって逃亡されたら最悪です。それまでの苦労は水の泡、また一からやり直しですし、しかも相手は以前よりも警戒心を強めるでしょうから人探しの難易度は高まること必至です。

探偵や興信所ならばノウハウやテクニックを持っているので、ご自身でやるよりも遥かに確度が高いはずですし、一番肝心なところで躓いたら元も子もないので、「餅は餅屋」、探偵や興信所に依頼するほうが安全です。

デジタル人探ししておけば、
探偵の人探し費用を削減する効果もあり。

探偵/興信所の人探しにかかる費用は、調査員の人数や実施する日数で計算される、いわゆる「人工」や「人日」と言われる費用をベースとした見積になるようです。デジタル人探しで調査対象をある程度絞り込んでおけば、探偵の調査にかかる人数や日数を減らすことができますので、調査費用の抑制効果があります。

例えば・・・

【例①】宿泊先を特定できた場合
数名の探偵がその場所に張り込むだけで足りますので、人探しの費用を抑制できます。

【例②】利用する鉄道駅や、頻繁に通う店(コンビニ等)を特定できた場合
張り込みだけでなく尾行を伴うケースもありそうですが、それでも闇雲な張り込みや聞き込みをおこなう必要がないので、人探しの費用を押さえられます。

このようにデジタル人探しで得た情報は探偵の人探し調査に役立つ&費用抑制の効果があります。対比、生活圏や生活パターンが分からないと、探偵がやるべきことが増えてしまうので、調査員の人数または調査日数がかかることとなり、伴って人探し調査の費用が膨らんでしまいます。ですので、ぜひデジタル人探しで事前に調査対象を絞り込んで下さい。

『デジタル人探し』と
『探偵の人探し』を
上手く使い分けて
両方のメリットを享受

この記事には、探偵の人探しを否定してデジタル人探しを推す、というような意図はありません。探偵を否定するどころかむしろ、結局最後は張り込みなどの物理的な調査が必須となりますので、そのような場面において探偵の人探しに依頼することを推奨しております。しかしデジタル人探しにも多数のメリットがあるので、今回ご紹介した次第です。探偵の人探しとデジタル人探しのそれぞれに異なるメリットがありますので、どちらも上手く活用して両方のメリットを享受し、家出人や失踪者の捜索に役立てて頂けますと幸いです。

また、ご自身でデジタル人探しをやってみて、もし十分なデータ・情報を収集できなかったという場合には、当社のフォレンジック調査サービスをご検討下さい。